〔概 要〕
永井撚糸株式会社の柏木様をお迎えし、りんごジュースの搾りかすをアップサイクルした「アプレナ」をはじめとするバイオ合成皮革についてご講演いただきました。
同社は主にバッグやカーシートなどに用いられる工業資材用ミシン糸の製造・販売を行っておられますが、近年はバイオ合成皮革の取扱いにも注力されています。「国産のバイオ合成皮革を届けたい」という共通の想いを持つ共和ライフテクノ株式会社と協業を開始し、現在は共和ライフテクノ様が開発、永井撚糸様が販売を担われています。
今回の勉強会では「アプレナ」のほか、里山保全のために計画伐採された竹を活用した 「バンブレナ」、ヒノキ加工場で廃棄される木粉を活用した「ヒノキシリーズ」、福島県産ホッキ貝の廃棄貝殻を活用した「シェレナ」など、地域の未利用資源を活かした素材について教えていただきました。参加者からの「素材由来の匂いや色が反映されるのか?」という質問に対しては、合成皮革・人工皮革のため影響はなく、多様な風合いや色を表現可能とのことでした。一方で、「バンブレナ」には偶然にも消臭機能が発見されるなど、素材ならではの興味深い特徴も伺えました。
また、一般的な合成皮革が3〜5年で加水分解による劣化が生じると言われるなか、ポリカーボネート系ポリウレタンを採用することで「加水分解試験10年相当基準」をクリアする優れた耐久性を実現しています。
会場で実際に拝見したジャケットやバッグ、ペンケースなどのサンプルは、天然皮革と見分けがつかない質感でありながら非常に軽量で驚きました。
特に印象的だったのは、原料の仕入れ先である農家や企業との強い結びつきです。単なる仕入れ先ではなく、「廃棄物を有効活用し環境問題に貢献したい」という共通の志を持つパートナーとして厳選し、協業されています。生産者の想いが詰まったバイオ合成皮革を市場で見かける機会が、今後さらに増えていくことを期待しています。
