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一般社団法人 日本衣料管理協会Japan Association of Specialists Textiles and Apparel

衣料管理士
Textiles Advisor,TA
TAの集い

勉強会・見学会レポート


2026年度

「中部衣料管理士の集い」 勉強会

  • 日 時2026年7月30日 15:00~17:00
  • テーマリデザインプロジェクト
    『地域に根ざし、世界につながる、誰一人取り残さないエシカル消費』
  • 講 師一般社団法人リデザインプロジェクト 代表理事 百瀬則子様

〔概 要〕
  一般社団法人 リデザインプロジェクト 代表理事の百瀬則子様に「リデザインプロジェクト」について、ご講演をいただきました。
 こちらのプロジェクトは、2009年に百瀬様が所属されていたユニーとモード学園が繊維企業の未利用素材を活用する取り組みから始まったそうです。ユニーの本社がある愛知県尾張地方では繊維産業が盛んでたくさんのメーカーや商社があります。それらの企業からサンプル反や傷があって販売できない生地などを提供していただき、学生がその未利用素材から発想を得てコンテスト形式でデザインします。その中から、受賞作品が選定されて受賞作品は障がい者施設の方々の手によって制作生産されます。生産された製品はスーパーなどの小売店の店頭で販売されるそうです。
 未利用素材を提供する企業・団体にとって生地を提供することは、倉庫の空間が空いてさらに廃棄処分するコストを削減できます。学生にとってこのコンテストに挑戦することは、限られた素材の中からなにがつくれるのかアイデアを絞り出し、さらに生産する障がい者にとって作業の難易度はどうなのか検討してデザインする必要があります。また、受賞したら自分がデザインした雑貨が販売される貴重な機会とやりがいを感じることができます。生産する障がい者に対して、受賞作品の生産することで就労機会が生まれます。そして公正な工賃を支払うことで自立支援をしています。自分たちの技術を生かして生産した商品を店頭で見て手に取ってもらえる事実を知ることで、働きがいや社会とのつながりを感じてもらえます。そして、その商品を販売するときに、このプロジェクトや商品の説明をして、チャリティで買うのではなく気に入って購入していただき「エシカル消費」を啓発します。
 以上のようにリデザインプロジェクトではたくさんの人の思いがつながり「エシカル消費」の啓発、さらに「サーキュラーエコノミー」が実現していることに感激しました。こちらのプロジェクトで販売している雑貨でエシカル消費を考えたときに、地元の学生、地元の障がい者、地元の繊維産業がつながっていることが素敵だと感じました。
 講義の後半は、もともとプロジェクト生地を提供していた繊維企業に勤められていて現在は介護福祉士・認知症ケア専門士である町田成次様と社会福祉法人 名古屋市身体障害者福祉連合会に所属されている井戸田啓介様、もともとプロジェクト製品を販売の場を提供する百貨店に勤められていて現在は環境省に所属されている篠田菜穂様を迎えてパネルディスカッション形式で進行いたしました。特に印象に残ったことが、井戸田様がされた障がい者の収入についてのお話です。厚生年金や生活保護と比較して障害基礎年金と施設での収入を合わせても少ないことを知りました。こちらのプロジェクトでは工賃について、安すぎないか相談していただけることが嬉しいとのことです。また、施設の中のひとりひとりの障害に合わせてどの作業ができるか工夫して生産されていることも教えていただきました。
 百瀬様からは、「直接参加できなくても関心を持っていただくこと」が大事だというお言葉が印象的でした。未利用素材がある分だけで生産しているため、コンテストのたびに素材も製品も違うとのことで、どんな製品が売っているのかぜひ店頭で見てみたいと思いました。また、普段ものづくりをしていく中でどうしても生まれてしまう在庫、残反などに対して、リサイクル業者に引き取ってもらう企業も多くあると思います。「業者に引き取ってもらっているから捨てていない」で考えることをやめないで、それらがどのように活用されているのか知りたいと思いました。




衣料管理士
TA:Textiles Advisor